ノースビレッジのwebネイチャーランブリング|バックナンバー

 自然の魅力と不思議を楽しむ ゆったりぶらぶら森散策 
ノースビレッジのウェブネイチャーツアー

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第1回 樹根

森に聳える巨樹にしばしば圧倒されてしまうのは、仰ぎ見るその高さと、抱えきれぬほどの幹まわり、そして威風堂々としたその枝ぶりによるところが大きいと思います。

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第2回 ブナの森の魅力

「どうしてブナなの−ブナの森の何が魅力なの?」その答えは、実際にいろいろな森を歩いてもらい、その人の感性で感じ取ってもらう。これに勝るものはありません。

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第3回 御神木

十和田湖の外輪山から奥入瀬渓流に向かって降りていくなだらかな山地の中腹に、地元の林業関係者たちが古くから「森ノ神」として崇めてきたブナの巨樹があります。

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第4回 倒 木

この倒木の存在を知ったのは今から五年ほど前の夏、蕭々とした霧雨の午後でした。谷地温泉から蔦温泉にかけて続く、若いブナの林に囲まれた道を車で下っていた時のことです。

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第5回 若い林

このスマートな木々の群れこそがブナ林のスタンダードであると思っている人も少なくはないようです。しかしこれはかつての人の営みが強く関与した、ある意味では非常に特殊な森の姿なのです。

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第6回 ブナの実

森の床に零れ落ちた実は、そこに棲まうネズミやクマ、そしてヒトと、古来、多くの生きものたちの大切な糧となってきました。



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第7回 ブナ林のクマタカ【前編】

クマタカは「熊鷹」あるいは「角鷹」とも書かれます。森に棲む大形の猛禽類です。「角」という字は、このタカの01冠羽(かんう)と呼ばれる、角ばった羽毛のことを示しています。


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第8回 ブナ林のクマタカ【後編】

十和田湖に近いブナの森で、当歳(その年生まれ)のクマタカに出逢いました。まだあどけない顔つきをしています。この夏に巣立ったばかりの幼ない鳥です。



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第9回 樹 液

ブナの樹に大きな傷ができていました。そこから滲み出した樹液が凍っています。どんな原因で生じた傷なのでしょうか、幹の裂け目を中心に剥がれた樹皮が、なんとも痛々しく目に映ります。


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第10回 ウグイスの古巣

森の遊歩道沿いでウグイスの古巣を見つけました。路傍に生えたツツジの灌木(かんぼく)の上で、無造作に載せてあります。まる見えです。そばを通れば、すぐにわかりそうなものです。


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第11回 冬を越す花芽

キブシという樹をご存知ですか?あまり大きな樹ではありません。遊歩道のきわ、林のふち、林道沿い、そんなところでよく見かけます。春先、マンサクなどと一緒に、木々がまだ葉を開いてさえいない頃、いち早く花を咲かせます。

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第12回 ヤドリギの実

十和田湖岸にある「畳石」と呼ばれる岩場で、薄いオレンジ色をした、小さな珠(たま)を見つけました。あさい水たまりの上にひとつだけ、ぽつん、と落ちていました。ヤドリギの果実です。


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第13回 富貴草

森の床を覆い尽くした真白な雪の絨毯の中から、にょきりと元気な「緑」が顔を出しているのです。身に雪をまとってはいますが、なんとも旺盛な生命力を感じさせてくれます。雪ニモ負ケズ、冬ノ寒サニモ負ケズ……


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第14回 笹 魚

冬の森の中で「笹魚」を見つけました。ささうお、と読みます。稈(かん)の節に、タケノコ状の「ふくらみ」が生じたものです。ご覧の通り、とてもユニークな形をしています。



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第15回 氷の造形美【前編】

冬の冷え込んだ日、奥入瀬渓流に流れ込む支流や、蔦の森を流れる小さな渓のそばを通る時、私はいつも探しものをしています。面白い「氷の造形」が姿を見せていないかどうか、それを探しているのです。

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第16回 氷の造形美【後編】

前回「氷の造形美」をコンデジで楽しんでみましょう、と御紹介しました。今回は、奥入瀬と蔦の森の散策路で撮影した、氷の造形美のいくつかをご覧いただこうと思います。


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第17回 ドライフラワー

いったいこれはナンだろう?明るい森の中をスノーシューで雪を踏みしめながら歩いていた時に目についた、奇妙なモノです。一見してぱっと頭に浮かんだのは、昆虫のタマゴか何かだろうか、ということでした。


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第18回 冬 芽

冬の森で、樹木の冬芽を楽しむ。これはウィンター・ネイチャーウオッチングの、いわば「定番」です。自然観察会などでは、冬のスタンダード・プログラムとして、必ずや登場しています。


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第19回 テンの渡る橋

森の中を流れる川にわたされた、小さな橋。人が架けた橋ではありません。川岸近くで倒れた樹の作った、天然の橋です。生動物たちは、こうした自然の橋を、私たちが思っている以上に頻繁に利用しています。


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第20回 冬の森

森のところどころに、巨樹の居並ぶ聖堂のような場所があります。初夏には滴るような緑の空間です。ところが冬には、同じ森とは思えないほどがらりと様相が変わります。豊穣の神のごとき穏やかな顔つきだった樹が、一転して孤高の老僧といった厳しい面持ちとなっていたりもします。

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第21回 山 繭

寒空のもと、裸木からぶら下がる繭は、ぽやぽやとして、とってもやわらかそうです。見るからにあったかい、シェルターのような印象すらありました。ところがある時、それが「もぬけのから」なのだ、ということを知りました。がーん。

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第22回 早咲きのブナ

ブナの芽吹きはおおむね5月の初め。来るべき時に向け、いまかいまかと待ち構えているようです。いかに春めいてきたとはいえ、芽鱗がほころび、いっせいに葉が開くのは、まだ先のことですところが?




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第23回 雪解虫

この季節、うららかな陽ざしの日を選んで川の近くを歩いてみると、かたくしまった雪の上を、せっせせっせとなにやらせわしげに歩く、全身真ッ黒の、細長い虫を見かけることがあります。ほんの1センチほどの昆虫です。



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第24回 根びらき

森の春は「根びらき」にはじまります。このちょっと聞き慣れない表現は、もともとは秋田マタギの山言葉であるといわれます。少しずつ暖気が高まるにしたがい、樹の幹のまわりの積雪が、ちょうど摺り鉢状のかたちに、だんだんと融けていく様子を表す言葉です。

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第25回 春の森、神秘の音

春まだ浅き森の中、子供向けの自然観察会で、印象的なひとコマがありました。案内人が「樹の声を聞いてみよう」といい、子供たちに幹へ耳をあてさせたのです。何人かには、そこで微かな音が聴こえたようです。

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第26回 フクジュソウ

奥入瀬渓流のほとりで、フクジュソウが咲きはじめています。まだまだ雪の残る奥入瀬ではありますが、日当たりの良い南向きの斜面を見ていくと、ぽつりぽつり、あの見るも鮮やかな黄金色がちりばめられていることに気づきます。


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第27回

十和田湖のカワアイサ −往くカモ、来るカモ(その1)−

水ぬるむ春の十和田湖での夕暮れ、カワアイサを見かけました。あたたかみある柑橘色の光に彩られた湖上にたゆたうシルエットは、ことのほか優雅でした。

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第28回 奥入瀬のシノリガモ【前編】 −往くカモ、来るカモ(その2)−

奥入瀬渓流沿いの遊歩道を散策している時、水鳥が目の前を通り過ぎていきました。紺色をした美麗なカモです。上流から下流へと向かって、滑るように翔んでいきました。

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第29回 奥入瀬のシノリガモ【後編】 −往くカモ、来るカモ(その2)−

シノリガモの生態は、ちょっとばかり謎めいており、そこがまた彼らの魅力を高めています。つい最近までは、北日本の海岸岩礁に冬の間だけ姿を見せる渡り鳥であると見なされてきました。

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第30回 森の水鳥・オシドリ −往くカモ、来るカモ(その3)−

当シリーズの最終回は、オシドリについてお話したいと思います。「おしどり夫婦」のオシドリです。カワアイサ、シノリガモと同様に、オシドリもまた「森の水鳥」です。湖沼や河川流域の森の樹洞で繁殖するカモです。

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31回 ブナ開く

森全体が萌えあがるこの季節、「木を見て森を見ず」とは逆に、ついつい森の全景ばかりを眺めてしまいがちです。いわずもがな、葉の一枚一枚にも、ハッとするような美しさがあります。




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32回 黄色いスミレ

「すみれ色」といえば、誰もがあの青紫系の色を思い浮かべると思いますが、鮮やかな黄色の花びらを持ったスミレもあります。オオバキスミレとキスミレです。





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33回 クロモジの花

クロモジの花に、虫が訪れています。ブナの森の下で必ず見られる低木のひとつです。いわば、ブナ林の「おなじみさん」の代表的存在です。でもクロモジとは、ちょっと変わった名前ですね。「黒文字」と書きます。




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34回 春蝉のぬけがら

「ミョーキン、ミョーキン、ケケケケケケケ……」いま八甲田山麓の森では、こんな奇妙な「鳴き声」が響き渡っています。「あれは何という鳥の声ですか?」という質問を受けることが少なくありません。「カエルの声でしょうか?」というお尋ねも、よくあります。確かにそんなふうにも聞こえます。


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35回 ハチクマ

今年もまた、南国から奥入瀬の森にハチクマが渡って来ています。この年最初の出会いは、5月の末でした。森の上で「ピィーヨー、ピィーヨー」と甘い声がして、はっとして見上げると、ブナの新緑の隙間から、ゆったりと空を飛ぶ姿が目に入ってきました。



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36回 田代平湿原のワタスゲ

田代平湿原(たしろたいしつげん)は、いまから数十万年前の遠い遠い昔、八甲田の火山活動によって生まれたカルデラ湖が、長い年月の間に湿地と化したもので、数ある八甲田山系の湿原の中でも、最大の面積を誇っています。


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37回 ホオノキの花の終わり

初夏、ブナの森にはほんのりと甘く、それでいてちょっと清涼な感じのする、この季節に独特の香りが漂っています。ホオノキの花の香りです。八甲田山麓の森では、おおむね5月下旬から6月いっぱい、花を咲かせています。


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38回 樹幹流

雨の日に森を歩くと、伝い落ちる雨水によって樹の幹が黒光りしている様子が見られます。森に降った雨のうち、樹の幹を伝って流れる水のことを、樹幹流(じゅかんりゅう)と呼びます。一般には、まだちょっと耳慣れない言葉ですね。



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39回 樹下のあぶく

前回、雨の日に樹の幹を流れ落ちる「樹幹流」について御紹介しました。今回は、その樹幹流のもとで見られる、ちょっとフシギな存在についてお話いたします。それは樹の根元に発生する泡(あわ)です。




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40回 銀龍草

シダの生い茂る薄暗いブナの森に、今年もたくさんのギンリョウソウが姿を見せました。奥入瀬や蔦の森の林床(りんしょう)でこの不思議な植物の白装束がそこここで目立つようになるのは、おおむね5月の下旬くらいから6月の初め頃からでしょうか。


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41回 カモシカの死

「入江のそばでカモシカが死んでいました。強烈な腐臭で、湖上にまで漂っていましたよ」そういって、まだ若いものと思われる、小型のカモシカの骸の写真を見せてくれたのは、カヌーガイドの丹羽君でした。顔面がどす黒く変色した、かなりグロテスクな写真です。

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42回 森のヒキガエル

雨の森の遊歩道で、大きなヒキガエルに出逢いました。のそり、のそりと、薄暗い森の底を、貫禄十分に歩いてきます。なんだか見おろしていては失礼なような気持になり、こちらも這いつくばりました。そして正面から対峙しました。実によい面構えをしています。

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43回 梅花藻

「梅の花の藻」と書いて「バイカモ」と呼びます。清流に生える水草です。名の響きから、なんとなく「藻」の仲間と思われがちですが、学名ラナンキュラスという、キンポウゲ科キンポウゲ属というグループの山野草で、読んで字のごとく、梅に似た白い花を咲かせることから、この和名があります。

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44回 山路杜鵑草

エゾゼミやコエゾゼミの蝉時雨が降り注ぐブナの森の山路は緑濃い装いですが、路傍では初秋の雰囲気を漂わせた「山路杜鵑草」が咲きはじめていました。「山路杜鵑草」と書いて「ヤマジノホトトギス」と読みます。ホトトギス、と呼ばれる花の仲間のひとつです。

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45回 タマゴタケ

タマゴタケは、夏のさかりから秋にかけ、ブナの森の樹下に姿を見せます。地上に姿を現した時、すなわちまだ幼菌の時には、白い外皮に覆われています。そのさまが、まるでタマゴのようなので、このような名前がついたのでしょう。


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46回 ソバナ

この季節、ブナの森の遊歩道沿いでは、ソバナの花が咲いています。風情ある桔梗の仲間です。英名ではレディ・ベル(女性の鐘)です。薄い青紫色をした、釣り鐘のようなかたちの花をぶらさげています。涼やかで、どこか風鈴を想わせる眺めです。

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47回 サシバゆく

十和田湖の外輪山上空を、一羽のサシバが悠々と舞っていました。すがすがしい初秋の青空のもと、気持ち良さそうにゆっくりと旋回しています。サシバは中型の猛禽類で、 南西諸島や東アジアなどで冬を越す渡り鳥です。


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48回 月夜茸

夏のさかりから秋のおわりまで、ブナの森にはたくさんの「月夜茸」が姿を見せます。立ち枯れた樹や倒木などにみっしりと発生しているさまは、まさに群れ咲くという感じ。その眺めは壮観ですらあります。「おお、今年も派手に出とるなあ」などと思います。

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49回 日光浴するマムシ

初秋の森を歩いていて、次の一歩を踏み出そうという時、なんとなくイヤな予感がして思わず足を引っ込めましたら、そこに小さなヘビがうずくまっていて、びっくりしました。…それはマムシでした。のんびり日光浴をしていたのです。

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50回 カワネズミ

蔦の森のランブリングツアーで、蔦沼からの流れ出しに沿って歩いていると、時おり水面をすばしっこく泳いでいく銀色の動物に出逢うことがあります。「あッ、あッ!」と大声を出して指し示すのですが、あまりにも敏捷なので、ともすると参加者の何人かは残念ながら目にすることさえできぬままです

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51回 ミサゴ
ミサゴという名前のタカがいます。英名はザックなどで有名なかのアウトドアメーカーosprey です。白と黒を基調とした、とてもシックなデザインの猛禽類です。ワシやタカなどの猛禽といえば、他の鳥や動物を襲って食べるとの印象が一般的には強いのでは?と思います。

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52回 トチの実

この秋もトチの実がたくさんなりました。奥入瀬にも、蔦の森にも、どっさりと落ちています。森の奥に分け入らなくても、遊歩道の上にいっぱい転がっています。
静かな散策のさなか、ドサッ、ドサッと何かの落ちる音が響きます。


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53回 菌根

秋の森といえば、すぐにキノコを思い浮かべる方は多いでしょう。この時季の森では、あちこちで結構な数のキノコ採りの人を目にします。名人クラスともなれば、いつどこにどんなキノコが出ているかがわかるといい、キノコの少ないとわかっている森には、わざわざ出かけたりしません。

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54回 たぬきのちゃぶくろ

狸茶袋と書いて「たぬきのちゃぶくろ」と読みます。キノコの名前です。タヌキの茶袋って、いったいナニ? ずいぶんユニークな名前ですよね。こんな面白い名前、いちど覚えたら、なかなか忘れられません。これはホコリタケ科というキノコの仲間です。

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55回 ブナ黄葉

秋も深まり、ブナの森は美しい黄色に染まりはじめました。"こうよう"といいますと、ふつうは紅葉と書きますね。そして、これを"もみじ"とも読みます。もみじに代表されるのが、秋の葉の紅い色づき、というわけです。しかしここ八甲田山麓に広がるブナの森の秋は、紅葉ならぬ黄葉です。

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56回 キノコのデザインを楽しむ

秋も次第に深まり、キノコシーズンもいよいよ大詰めですね。ムキタケやナメコ採りにいそしんでおられる方も少なくないかと思います。さて、キノコというと、ふつうは「傘型」のものを連想されるかと思います。しかしキノコというのは…


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57回 ハイタカのダンス

今回はハイタカという名前のタカを御紹介します。漢字では「灰鷹」と書きます。その名の通り、背面は美しいグレー。きりりとした、スマートなタカです。タカ科の仲間のうち「ハイタカ属」というグループがあるのですが、その代表種となっています。


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58回 蝉の骸

ブナの森は、もやはすっかり初冬の様相です。黄葉もほとんど散ってしまい、森の底は枯葉の海となっています。この季節の森歩きには、あまり派手な楽しみはありませんが、他のものに目を奪われにくいため、ふだんあまりじっくり見ることのない樹皮のコケや地衣類などをじっくり見て歩くことが多くなります。

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59回 大畳石のヤナギ

奥入瀬渓流のスタート地点・子ノ口から、十和田湖の湖岸を右回りで約2.5キロほど北へ向かった地点に、大畳石(おおたたみいし)と呼ばれる「名所」があります。湖に突き出した、幅広い、平坦な岩場です。火山灰の固まってできた、溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)の岩盤が、湖の波の浸食と風化作用によって…

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60回 落ち葉

秋が終わり、今年もまたたくさんの落ち葉が降りました。雨や雪に濡れ、黒く変色したもの。まだ黄紅葉の色あいをそのまま残したもの。カラカラに乾いて干物のようになったもの。虫に喰われたもの。水の中でたゆたうもの。



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61回 ホオノキの落ち葉

樹木がすっかり葉を落とした森の遊歩道。落ち葉がびっしりと隙間なく敷き詰められています。黄色から黄土色、茶色に変色した落ち葉のなかで、ひときわ大きな、白っぽい落ち葉がよく目立っていますね。これはホオノキの落ち葉です。「朴葉味噌」などで知られる、あのホオノキです。

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62回 四十雀と五十雀

冬の初めは、バードウオッチングをはじめるのに最適なシーズンです。「え?」と思われる方も、いらっしゃるでしょうか。確かバードウィークというのも5月だったし、野鳥といえば、フツウ春から夏なのでは?そう思う方は少なくないと思います。あとは、せいぜい渡り鳥を見る秋くらいかな、と。


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63回 ドライフラワーll

一気に冬を迎えた野辺で、ちょっと素敵なアートを見つけました。枯れた花の穂が残った、シンプルなデザイン。天然のドライフラワーです。
周辺は、強い風雪によって枯れた草木の大半が雪に埋もれています。



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64回 雪の肌

関東で少年時代のほとんどを過ごした私にとって、かつて雪は憧れでした。初めて北海道を訪れた時には、一面に広がる雪景色に感動したものです。けれど二十年以上も雪国で生活していると、さすがに思いも違ってきます。




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65回 朝陽のオオタカ

森の中に、ぽっかりとあいた小さな空間。ブナの老大木が倒れてできた、ちょっと開けたエリアです。夜明け前の森へ出て、明るくなってきた頃にそこでひと休みしていると、とつぜん頭の上から「キッキッキッ」という鋭い鳴き声が降ってきました。




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66回 雪の上のタネ【その1】アカマツ

十和田湖畔の森を散策中、雪の上に落ちていたタネを見つけました。遠くへ飛ばすための「翼」の部分に、鮮やかな褐色の筋が入っています。比較的あたたかい日が続き、雪面がとけて氷状になっていたことあって模様がくっきりと浮き上がり、引き立てられて、とても目をひかれました。


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67回 雪の上のタネ【その2】サワグルミ

その日、雪の森のランブリングで見つけたのは、雪の上に落ちていたサワグルミのタネでした。サワグルミという樹は、渓流沿いにつづく森、いわゆる「渓畔林」を代表する樹木のひとつです。ここ奥入瀬渓流でも、カツラやトチノキなどと共に、渓畔林を構成するポピュラーな樹種となっています。


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68回 冬の森の鳥見遊山【その1】

冬の朝は、ぐっと冷え込みます。夜明けの森を歩いてみれば、どんなに暖かという日でも、やっぱりそれなりに寒さは厳しく感じられますね。ふだんはうんと早起きで、まだ夜の明けきらぬ暗いうちから元気にさえずりはじめる鳥たちも、冬は少しおねぼうです。


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69回 冬の森の鳥見遊山【その2】

冬の森で見られる鳥には種類数に限りがあって、初心者の方でも、鳥の種類を見分けやすく、鳥を覚えやすい季節です、と前回御紹介しました。また、いささか乱暴ではありますが、奥入瀬の冬の森の鳥は、大きく5つのグループに分けられるというお話をしました。



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第70回 蛾に宿る菌類

森の沢筋で、ちょっと珍しいものを見つけました。何かの虫が、菌類におかされている姿です。これは冬虫夏草の一種です。全身がすっかり菌に覆われていて、元がどのような姿だったのか、いったい何の虫なのか、一見したところでは、よくわかりませんでした。セミかな、それとも甲虫なのかなあ、といろいろ想像しましたが…

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71回 コマユミのブローチ

すっかり雪に覆われた、ともすれば味気なくも映る白い森で、はなやかな紅い彩りを見つけました。コマユミの実です。熟したのはもちろん秋のことですが、真冬のいまでも枝先にしっかりとぶらさがっているものが少なくありません。その鮮やかな朱色はブローチのようです。



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72回 雪の上のクモ

冬の森を散策していると、よく雪面を歩いているクモを目にします。小さなものなので、気をつけていないと見過ごしてしまいがちですが、ちょっと注意していると、結構な確率で出逢える存在です。昆虫やクモ類というと、春から秋の、雪のない季節にのみ現れるもの、そんな印象は、おそらく多くの人に共通のものだとも思います


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第73回 クズの蔓

見つけてすぐ、そのなんともいえぬ味のあるデザインとたたずまいに「おッ、こいつはオモシロイ!」と胸が高なりました。くるくると螺旋を描いた姿は、どこか幾何学的なイメージすらありますが、びっしりと生えた毛が、植物というものの、ちょっと生なましいほどの存在感を強烈に感じさせてくれます。


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第74回 コケの魅力

冬枯れの森の中でも変わらず緑を保っているのがコケの仲間です。コケのある風景には、一種独特のおもむきがあります。日本の森の内部景観が、特にしっとりとした「潤い」に満ちているのは、コケの豊かさによるところもまた大きいのではないでしょうか。       


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第75回 地衣類の森
【その1】

ブナの森に魅せられるようになって最初に驚いたことのひとつ。それは美しい幹の模様が、ブナ本来のものではない!ということでした。白っぽい樹皮につけられたモザイク状の独特のデザイン。ところがブナの樹皮は、元来あのような模様ではない、というのです。そりゃいったいどういうことかいなといぶかってしまいました。


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第76回 地衣類の森
【その2】

地衣類はその外形によって大きく3つのタイプに分けられます。写真はカブトゴケの仲間で「葉状地衣類」です。見た目の第一印象は「緑色をしたコケ」ですね。でもブナ林を代表する葉状地衣のひとつです。地衣体は薄い紙状で、ぺらぺらした印象があります。表と裏の区別がはっきりしていて、裏面のを見ると……


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第77回 カケスの春

まだ雪の残る早春のブナの森に、賑やかな声が響いています。「ギャア、ギャアー」とか「ジャア、ジャア」といったダミ声にまじって、時おり「クイーッ」「ミュー」という甘やかな声も聞こえてきます。カケスたちの「春の集会」が催されているのでしょう。声のする方を見ていると、ひらひら、ふわふわと、数羽の鳥たちが裸木のあいだを、漂うように飛びかっているのがわかります。


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第78回 フキノトウの季節

春を迎えたので、今年もフキノトウをいただきました。東北地方では山菜を採る人の姿が身近です。道からほんのちょっと入った林内や、林道のきわなどでフキノトウを採っている人もたくさん見かけます。スーパーや道の駅など、数個300円くらいで販売してもいますが、野山ではそこらじゅうフキノトウだらけです。


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第79回 はかなくもしたたかに

早春の森に咲きみだれる可憐な花たち。スプリング・エフェメラル(春の妖精)と呼ばれる、その代表格といえば、やはりカタクリではないでしょうか。野山を薄桃色に彩る、この花の絨毯を目にすると、どうしても心がはずみます。


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第80回 ミズバショウ(その1)

群生すると見事な絵となるミズバショウの花。「水芭蕉」といえば尾瀬、尾瀬といえば「水芭蕉」。かの有名な歌のおかげもあってか、おそらく日本人でこの花を知らぬ人はいないのでは。それゆえなのでしょう、ミズバショウは尾瀬に行かなくては見られない、そう思いこんでいる人も、たまにおられると聞いたことがあります。


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第81回 ミズバショウ(その2)

ミズバショウの花は、蜜を分泌していません。芳香があるので、その匂いに呼び寄せられてやってくるハエなどの虫たちが花粉の媒介役を担っています。いわゆる「虫媒花」と呼ばれるタイプです。その一方で、花粉を風に乗せて撒く「風媒花」としての特徴も備えています。


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第82回 たまごのゆりかご

の奥入瀬の水辺では、カエルの産卵がピークを迎えます。カエルの卵なんて、ぶよぶよして、目玉模様で気持ワルイ。そんなふうに顔をしかめる方もいらっしゃいますけれど、透明なゼラチン質の卵塊は、陽の光があたるときらきらと輝き、なかなかきれいなものです。


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第83回 カワセミの紅

ひょうたん沼経由(蔦温泉を正面に見て左側から入ル)で二つ目の沼にあたる菅沼で帰ってきたカワセミに出逢いました。まだ冬枯れのままのヨシのくさむらのなかで、くりくりした愛らしい目を、元気に輝かせていました。北東北から北海道のカワセミは(地域にもよりますが)積雪の多いところでは「夏鳥」であることも多く、厳寒期には姿を消してしまいます。


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第84回 森の香り

樹木が一年のうち最もみずみずしく輝く季節となりました。秋の彩りもよいけれど、やはり春から初夏にかけてがいちばん。錦繍の装いに較べて若葉の頃は、森そのものが溌剌とした、はじけるような美しさに満ちているように思えます。この季節、人は森や林に出かけると、不思議と元気になります。


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第85回 ヤマカガシの毒

日本産のポピュラーなヘビといえば、アオダイショウ、シマヘビ、マムシ、そしてヤマカガシでしょう。山菜採りの人たちなどが、森で「マムシだ、マムシが出た」と騒いでいるところにいきあい、どれどれと覗いてみると、それが背に赤と黒の特有のまだら模様のあるヤマカガシだった、というのはよくあることです。


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第86回 76万年前への時間旅行

奥入瀬渓流のイメージといえば森と清流。しかし忘れてはならないのは、渓谷をかたちづくっている断崖の岩石そして転石群です。深いV字型の渓谷である奥入瀬は、長い間にわたる川の浸食や崩落の影響で崩落した無数の転石。そこに各種のコケが生え、シダが育ち、樹木が根を張り、奥入瀬の独特の景観をつくっています。


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第87回 八甲田火山史(その1)

八甲田火山の活動のもともとの始まりは約400年前から300年前といわれています。そして100万年前から40万年前までのあいだに、南八甲田火山・八甲田カルデラ(田代平カルデラ)・北八甲田火山の順に活動が活発化し、成層火山が形成されていきました。


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第88回 八甲田火山史(その2)

現在の十和田湖形勢に直接関係する火山活動である十和田火山の噴火活動がはじまったのは、約20万年前から15万年前と推定されています。そして約4万年ほど前から本核的な噴火活動が始まり、約1万3000年〜1万5000年前までのあいだに、少なくとも6回の噴火が起きたとされています。


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第89回 渓流の美

奥入瀬渓流では川のほとりから谷の斜面の上まで、たくさんの樹木が連続して生えています。源流部の十和田湖子ノ口から焼山までの14キロ区間、そのすべてが、すっぽりと森に覆われているのです。奥入瀬は、まさに森にいだかれた渓流だといえるでしょう。


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第90回 渓谷林の効用

奥入瀬川の流域に広がる森(渓谷林・渓畔林)は、川に対して実にダイレクトな影響を与えています。そのいちばんの特徴は「物資の供給」であるといえるでしょう。川には、大量の落葉・落枝・落花そして昆虫等の生きものが大量に降ってきます。川のほとりにある森から降ってくるのです。


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第91回 花ぬすびと

写真はシラネアオイの花です。かつては奥入瀬や蔦の森の遊歩道沿いでふつうに見られたそうです。残念ながら、いまではそうではありません。「盗掘」によって、めっきり少なくなってしまったのです。かつての奥入瀬には、ランをはじめとする綺麗な花が、もっともっとたくさん咲いていた、というのです。


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第92回 陰花帝国

奥入瀬では高木から亜高木層がよく発達し、低木層はあまり見られません。そのかわり林床ではシダが旺盛に繁茂し、独特の雰囲気を持った景観を形づくっています。シダが生えるのは、地上だけではありません。谷中に転がる苔むした岩の上、樹上を見上げてみれば着生シダ類がたくさん見られます。


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第93回 苔の道(モスロード)

陽のあまり差し込まない奥入瀬の谷底は、森と谷とヤマセの影響から空中湿度がことのほか高く「隠花植物」たちの王国となっています。岩や倒木の上、石垣や巨樹の幹など、はたまた流水のきわまでをびっしりと覆っている緑のコケ類の豊富さに、誰もが目を見張らされることでしょう。


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第94回 菌の花

これはホオノキの実に生えるホソツクシタケというちょっと変わった菌類です。私の大好きなキノコです。八甲田山麓に広がるブナの森は、キノコの宝庫です。さまざまな菌類が豊かに生息しており、いまだ知られていない種もたくさんあるといわれます。もちろん奥入瀬や蔦の森の遊歩道において実にいろいろなキノコに出逢えます。

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第95回 森の水鳥(2)

「森の水鳥」を代表するのは、オシドリというカモ類です。冬には平野部に移動して、都心の公園の池などにも飛来、人から餌をもらったりなどしている、いつものおなじみさんなのですが、春になると山中の湖や河川に戻り、樹の洞で子育てをするというまさに「森に棲む水鳥」となるのです。このオシドリについては、第30回でも詳しく御紹介しています

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第96回 奥入瀬の鳥たち

同じ夏緑広葉樹林でもミズナラを中心とする北海道より、ブナが中心の東北地方の森への関心が高まっていきました。その後、奥入瀬を初訪問して思ったのは、森と水流の美しさにはなるほど納得がいったものの、オオルリもアカショウビンもヤマセミも、特筆に値するほどたくさん見られるわけではない、ということでした。

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第97回 蜂塚

栃の花咲き蜜がふく/夢多かりし五十年/山背に吹かれ渓に消ゆ/亡き蜂の霊眠れかし これは奥入瀬渓流の終点・焼山(やけやま)の墓地の片隅にひっそりと建っている「蜂塚」に刻まれた碑文です。かつて奥入瀬渓流で転飼(てんし)を行っていたある養蜂家が、ハチの霊を弔うために建立したものであると聞きました。

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第98回 カモシカ

奥入瀬や蔦の遊歩道沿いで出会える確率の高い大型動物といえば、カモシカです。森の見通しが良くなる晩秋から春にかけての落葉期は、特に目にする機会が増えてきます。カモシカは青森県が北限なので、北海道には分布しません。私が初めてカモシカに出会ったのは、初冬の新潟山中でした。

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第99回 森林美学
(その1)

18世紀イギリスの聖職者ギルピンという人が書いた『森林風景論』(1791年)という本には、森と野原の混在する風景が「美しい地形」であるとして紹介されています──アタリマエじゃないか、ですって?確かに。しかしその当時、森を「役に立つ」ものとしてではなく、「美しい」ものとしてみる視点は、実は珍しいものだったのです。

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第100回 森林美学
(その2)

古来、人びとは自然界のあらゆるものに「神」を見いだし、それらを讃え、祀ってきました。一本の巨樹を見て、地上のあらゆる被造物のうち、それは最も壮大で、最も美しいものだと称賛したのがギルピンでした。そこにフンボルト的な思考が混じってくるならば、それは巨木というものが多様性の原理の象徴であるがゆえに美しく荘厳な存在なのだ、ということにもなるでしょう。

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第101回 モズの早贄

春まだ浅い奥入瀬の森でちょっと衝撃的なシーンを目撃しました。見通しのよい、まだ展葉前の森です。木々の向こうに一羽のモズがとまっているのを見つけました。どうも様子が通常ではありません。枝の上でなにやらごそごそと、妙な動きをしているのです。ふだんなら、少しでも接近すればすぐに飛び去ってしまうモズが、警戒しながらも、その場を離れることを躊躇しているようでした。

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第102回 クジャクチョウ

花の季節にはまだ早い枯野で、美しいチョウが飛んでいるのを見ることがあります。歩いていると、目の前にひらひらと突然現れます。とても綺麗なチョウです。よく見てみたいと思うのですが、結構なスピードで飛び回り、なかなか落ち着きません。見失わないよう目で追って、ようやく地面にとまったところを双眼鏡でのぞいてみます。はっとするほど美しい模様をしています。

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第103回 北米のハーレクイン・ダック(その1)

1993年の『ナショナル・ジオグラフィック』誌に「ホワイトウォーターの鳥」と題された北米のシノリガモの記事が掲載されていたことは、ずいぶん前から気になっていました。もう18年も前の記事なので、現在の北米におけるこのカモ類をとりまく状況が、どのように変化しているのかは不詳ですが、基礎的な資料という意味では有用であると思います。

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