野の花 あばら家荘日誌(その13) マムシグサの紅い実
奥入瀬渓流の遊歩道沿いでは、いまマムシグサが紅い実をつけています。
秋の森の草のうちでは、ひときわ目につく存在です。
この毒々しい色あいは、ひと目見たら強烈な印象を与えてくれます。
あばら家荘主人も実は大好きな植物のひとつで、見つけるたび嬉しくなります。
いかにも恐ろしげなこの名前は、茎にある茶褐色のまだら模様を毒蛇に見立てたもの。
花は円筒形をしていて、実の時期とは似ても似つかぬものです。
茎も花も、とっても個性的なのですが、
やっぱりこの紅いトウモロコシのような形をした秋の実が、
いちばんインパクトのある存在感を放っていますね。
薄暗い森が、またよく似あうんです。
ちょっと見には、ひとつの果実のように見えるものの、よくよく見れば、
さまざまな大きさの実が集まってできたもの、であることがわかります。
ひと粒ひと粒が艶々と照り輝くそれは、
俗に「蛇(へび)の松明(たいまつ)」とも呼ばれます。面白いネーミングですよね。
もっとも、ぜんぜん珍しい植物でもなんでもなく、あちらこちらで割とよく目にします。
奥入瀬でもおなじみの存在で、遊歩道を注意して歩けば、
すぐそばでじっくり眺めることができるでしょう。
こんないかにもな姿なれど、案外なことにこれがサトイモ科の植物であったりもして、
見ていると色に魅かれて、ちょっと摘んでみたくもなるというのもまた人情でしょうか。
でも、そんなことをしたら、モー大変。
口中にピリピリと刺すような痛みがはしり、しばらくのあいだは口腔機能がマヒします。
マムシグサの実には、粘膜を傷つける成分が多量に含まれているからであります。
かつてアイヌ民族は、このマムシグサの球茎(イモ)を焼いて食したといいますが、
そこには深い経験と技術の裏打ちがあったわけですね。
生半可な知識ではひどい目にあいます。
ま、そんな無言の警告を、この赤い実は発しているようにも見えます。
でも、鳥たちは平気で口にしています。
そもそもこの紅い色からして、いち早く鳥に見つけてもらい、
食べてもらうためのサインなのです。
鳥と人は違うんですねー。アタリマエのことですが。
奥入瀬渓流のランブリングでこんなマムシグサを見かけましたならば、
ぜひゆっくり鑑賞してみてください。
とっても面白い色味とデザインをしていますよん。
自分で見つけるのはメンドーくさいという方は、どうぞノースビレッジ主催、
朝の奥入瀬ランブリングへどうぞ(^^)
だぼ
