苦難(?)の末、先頃ようやく完成の陽の目を見ました
ノースビレッジ製作「奥入瀬渓流自然遊歩マップ」を
昨日29日、小山田久十和田市長を訪ね、
その内容紹介を兼ねて20部を謹呈してまいりました。
また、現在、屋外での活動を控えざるを得ない状況にある
福島県の御家族に、自然を満喫してもらおうと
市が開催する「十和田・奥入瀬サマーキッズキャンパス」への
参加者80部の謹呈分も併せてお願いをし、お預けしててまいりました。
福島の皆さまが自然情報ぎっしりのこのマップを片手に
奥入瀬散策をゆったりと楽しまれることを祈っております。
さて、写真は右から小山田市長、novi川村代表、
そしてマップ製作を担当したガイドの河井と村上です。
特に村上は今回のデザインをすべて担当し、
製作にあたって最も苦心した功労者でございます。
市長室で川村代表からマップを受け取られた小山田市長の反応は
まずまず、といったところでしょうか。
「ここまで詳しい内容の奥入瀬のガイドブックはこれまでにはなかったね」
とのお言葉を頂戴しました。
ただ中身にはさほど関心をひかれなかったのか、
マップの記載内容についてや製作過程についての質問は特になし。
見どころを熱弁する弊社代表カワムラの言葉にも、
ただただ静かに頷いておいでになるだけでした。
私が気になったのは、市長の唯一の質問内容。
「これだけ見て回るのに、どのくらいの時間がかかるの?」というもの。
最初はマップに記載されているコースタイムをご覧になり、
それを「マップに記載されている全てのポイントを見ていった時のタイム」
と思われたようでした。
そうではなく、ここに記載しているコースタイムは
あくまでも距離にみあった通常の歩行タイムでございます、と御説明。
ネイチャーウオッチングにかける時間は、人それぞれ。
いろいろなものをたくさん見つける人もおれば、
ひとつのものをじっくりと眺める人もいる。
写真を撮る人もいれば、じっと耳を澄ます人もいます。
スケッチする人もいるでしょう。五感を駆使して立体的に捉える人も。
なので普通に歩いて30分でも、人によっては1時間にも2時間にもなり、
そしてそれこそが森のランブリングの醍醐味であるわけです。
しかしながら、どうもそのような曖昧な答えが、市長のお気には召さなかったようです。
「それじゃあ、ダメです。ここにあげられているポイントを見て歩いた場合、
だいたいどのくらいかかるのか、その目安となる時間の記載が必要です」
はア、と困ってしまったワタクシ。それは、まったく想定外のお尋ねでありましたもので。
「渓流ホテルのまわり程度の散策でも、ワタクシどもは2時間もかけます」
そんなお答えをしてみましたが、
「そんなのは極端でしょ」とあっけなく返されてしまいました。
すいません、実は弊社の奥入瀬渓流ランブリングでは
たった2キロ歩くのに3時間もかけるんです、そんなガイドなんです、とは
もはやさすがに申せません。
むしろ、なんでそんなに時間にこだわるのかなあ、などと思ってしまいました。
そんなこんなで、特にもりあがりも見せずに
あっさりと終了してしまったマップ謹呈式だったのですが
帰りしな、ワタクシはふと「なるほどなあ」と思ってしまったのでした。
ふだん時間刻み、分刻みで忙しくされておられ、
空いた時間の有効活用を常に考えている、
そうした多忙きわまる環境にある人にとっては、
何をするにも、まずはその「所要時間」が気になるものなのだな、と。
今日は時間を気にせずゆっくりしましょう、などというのは、
きっとお忙しい人にとっては滅多にないことで
そういう立場の人にとっては、散策も厳しい時間の管理下におかれるということでしょう。
かたやワタクシは、いつも家でだらだらしていて思い切り時間を浪費しております。
ウチでは「だらっクマ」と呼ばれているほどです。
気が向いて、いったん森に入ったら、いつ出てくるのか自分でもわかりません。
(人生を投げているからこそできる所作でしょう。まあ、そのあたりは自覚しております)
それゆえに、マップ作りにおいても
そういった「時間」の観念はすっぽりと抜け落ちていました。
普通に歩けば30分。でも、ゆっくりならもっと楽しめる。ゆっくり、のタイムはその人次第。
それこそが真の贅沢であり、それが自然と楽しくつきあう秘訣。そう思います。
いつまでに着かなきゃ。いつまでに戻らなくちゃ。それは確かに必要なことだけれども、
それがいろんなことを見落としてしまうことの、最大の要因にもなっています。
時にはそういうことを「あえて忘れてみる」のも、コレまた一興なのでは?
いつも自然を時間ではかっていたら、自然はそういうカオしか見せてくれないかも。
・・・なあんて、そういう人間が作ったものは、やはり浮世に生きる人びとの感覚とは、
どこかあわないのかも知れません。そんなことを、つらつらと考えてしまいました。
その日の午後、デーリー東北の記者の方の取材で、
あなたが奥入瀬に魅かれる理由はナンナノダ?と問われ、
ワタクシは「アプローチのよさです」とお答えしました。
深い山中で時間を気にしなかったら、それは遭難のおそれあり、です。
けれど奥入瀬ではそれが可能です。いやになったらどこからでも引き上げることができましょう。
その安全弁があるからこそ、いまそこにある自然を、時を気にせず心ゆくまで満喫できる。
全ポイントを見て回るのにどのくらい時間がかかるのか、を他者に尋ねるということは、
他者の基準で歩く、ということにもなりませんでしょうか。ちょっともったいない気もいたします。
ならば、それをいちど御自身でゆっくり試してみるというのも、いいかもです。
マップに取り上げた程度のポイントは、その気になれば誰でも見つけられるもの。
自分が「面白い」と思えるものを、どのくらい見つけられるか。
それをどれだけゆっくりと時間をかけて味わい尽くせるか。
そしてそれが決して不可能ではないというのも、
奥入瀬というこのたぐいまれな自然がワタクシたちに与えてくれている
けっこう大事なプレゼントのひとつであるような気もします。
ワタクシ的には、それがわからないと、十和田奥入瀬観光の新しい発展など、
ぜったいに望めないと、そう思うのですが。
と、いうわけで小山田市長さん、そのうちぜひいちど弊社のランブリングに御参加ください。
時間は午前/午後とも3時間と決まっております。ワンデイなら8時間です。
(ただしガイドによっては少々遅延の恐れアリ、でございますが)
dabo
























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