

雪の上に落ちていたのは、ブナの殻斗(かくと)。
この栗の「いが」のような硬い鎧(よろい)の中に、タネが入っていたのです。
ぽつんと転がるその姿は、白い大地が身につけたお洒落なブローチのよう。
とても目につきやすく、わたしを見つけて──そう語りかけているような気もします。
でも、雪面を疾るように移動していくスキーでは、つい見のがしてしまいがち。
素敵な「おとしもの」をたくさん見つけるためには、やっぱり「ゆっくり」がとても大事。
ユニークな形の木の実やタネ、キレイな落ち葉、落ち花、そして鳥の羽……。
雪の森は、やっぱり宝の山なのです。